２００９年１０月３日(土)　午後４時30分 開場／午後５時30分 開演

【曲目】
ハチャトゥリアン ／ 長生淳： カインド・オブ・ガイーヌ
デザンクロ： サクソフォン四重奏曲
ホルスト ／ 長生淳： トルヴェールの≪ 惑星 ≫より
　　　　　　　“ 木星 ”“ 彗星 ”“ 地球 ”
モーツァルト ／ 長生淳： モーツアルトはなべてこうしたもの
ビゼー ／ 長生淳： カルメンラプソディ

＜アンコール曲＞
・長井桃子　：　日本の歌
・J.S.バッハ：　G線上のアリア

●トルヴェール・クヮルテット　Trouvère Quartet
87年に結成され07年に20周年を迎えた世界的アンサンブル。92年東京国際音楽コンクール第２位、第５回日本吹奏楽アカデミー賞「演奏部門」受賞。2000年にはオランダでの日蘭国交修好400年記念演奏会に招かれる。04年、ホルストの「惑星」を長生淳が全く新しく作りかえた「トルヴェールの《惑星》」のCDをイマジンベストコレクションよりリリース。07年初夏にはエイベックスより新CD「シャル・ウィ・サックス?」をリリースし、大好評を博している。

●須川 展也（ソプラノ サクソフォン）　Nobuya Sugawa
東京芸術大学卒業。第51回日本音楽コンクール、第1回日本管打楽器コンクール最高位受賞。94年度村松賞、第4回出光音楽賞受賞。文化庁芸術作品賞を受賞したサクソフォン協奏曲集「サイバーバード」（EMI）、レコード芸術誌上で特選盤となった「Exhibition of Saxophone」など、25枚を超えるCDをリリースしている。年間100公演をこなすソリストであると共に、東京佼成ウインドオーケストラ　コンサートマスター、ヤマハ吹奏楽団常任指揮者。98年のTVCF「JTピース・スーパーライト」への抜擢に続き、02年にはNHK連続テレビ小説「さくら」のテーマ曲奏者としても話題をよんだ。４月にリリースされた最新ＣＤ　「ＡＲＩＡＳ」（エイベックス）は、大好評を博している。

● 彦坂眞一郎（アルト サクソフォン）　Shinichiro Hikosaka
東京芸術大学大学院修了。安宅賞受賞。CBSソニー「ザ・ニューアーティスト・オーディション '88」においてFM東京賞、クリスティン・リード賞受賞。マイスター・ミュージックよりソロ・アルバム「バラード“即興への軌跡…！”」、「ダンス」、「エチュード」をリリースしており、99年6月に行われた東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」では好評を博す。現在、桐朋学園芸術短期大学講師、上野学園大学講師の他、「裏サックス」、「火星接近」のメンバーとしても活動している。最新ＣＤは、新井靖志とのデュオによる「6つのカプリス〜２本のサクソフォンのための作品集〜」（マイスターミュージック）。

● 長澤範和（テナー サクソフォン）　Norikazu Nagasawa
２００５年昭和音楽大学卒業。卒業演奏会に出演。２００６年同研究生修了。在学中より数多くの学内演奏会等に出演し、市川市文化振興財団主催の新人オーディションに合格、優秀賞受賞、同新人演奏会に出演。卒業後は日本サクソフォン協会、ヤマハ株式会社、読売新聞社各主催の新人演奏会に出演。ソリストとしてこれまでに昭和音楽大学オーケストラ、東京サロンシンフォニーオーケストラ等と協演。第11回、及び第12回浜松国際管楽器アカデミーにて共に同推薦音楽会に出演。文化庁芸術創造活動重点支援事業として東京室内歌劇場第３８期１１３回、１１４回定期公演にサクソフォニストとして出演。２００７年アーティストサロンＤｏｌｃｅ東京にてソロリサイタルを開催。２００８年東京藝術大学及び延世大学（韓国）の交流事業にサクソフォニストとして参加。旧東京音楽学校奏楽堂、延世大学、ソウル大学において日本及び韓国のサクソフォン作品に多数参加。２００９年「二人ぽっちの音楽会」と題した風変わりなデュオリサイタルに参加。好評を博す。現在ソロ、室内楽をはじめ、東京室内歌劇場、東京フィルハーモニー交響楽団等プロオーケストラのエキストラ出演、吹奏楽指導など活動は多岐にわたる。これまでにサクソフォンを田中靖人、彦坂眞一郎、福本信太郎、松原孝政、室内楽を彦坂眞一郎、武藤賢一郎の各氏に師事。須川展也、Ｊｅａｎ：Ｙｖｅｓ　Ｆｏｕｒｍｅａｕの各氏のマスタークラスを受講。風音の会木下ミュージックスクール講師、ＪＥＵＧＩＡカルチャースクール講師、島村楽器講師。

● 田中 靖人（バリトン サクソフォン）　Yasuto Tanaka
国立音楽大学卒業。矢田部賞受賞。第1回日本管打楽器コンクール・サクソフォン部門第2位、第4回同コンクール第1位受賞。東京佼成ウィンドオーケストラ アルト・サクソフォン奏者。「管楽器ソロ名曲集」（日本コロムビア）の他、「ラプソディ」、「サクソフォビア」（東芝EMI）、「ガーシュインカクテル」（佼成出版）等のソロCDをリリースしている。昭和音楽大学及び同短期大学講師。

● 小柳 美奈子（ピアノ）　Minako Koyanagi
東京芸術大学卒業。従来の「伴奏」というイメージを変えてしまうとの定評を持つアンサンブルピアニスト。国内での活動はもとより、吉松隆「サイバーバード」の準ソリストとして、フィルハーモニア管弦楽団との共演、アメリカ、メキシコ、トルコなど海外での活躍も多い。ソロCDを2枚、また須川展也及びトルヴェール・クヮルテットとのレコーディングは10数枚を超える。

コンサートのみ：8,000円
コンサート＋ブッフェディナー：16,000円
ご宿泊セット：下記の表をご覧ください。

10月3日（土）トルヴェール・クヮルテット

ところどころに、色づいた葉が見えるようになってきました。爽やかな秋風が吹く、清々しい日。トルヴェール・クヮルテットの演奏会が開催されました。都合により田中氏ではなく長澤範和氏がテナーサクソフォンを務め、20余年の活動の中で初めて新しい息吹が入った“超レア”な公演となりました。
20余年の活動歴（伴奏の小柳さんとも20余年のお付き合いだそうです）と簡単に言いますが、長い年月一つのグループを維持するということは並大抵のことではありません。音楽性、人間性、協調性、どれが欠けても継続不可能です。その阿吽の呼吸の素晴らしさ、お互いのメンバーへの慈しみなどが全編通して感じられた素敵なコンサートでした。
曲目は、バラエティに富んだトルヴェールらしいラインナップ。その中でも「ちょっと難しいですが我慢して聴いてください・・・」と須川さんが紹介された、サクソフォン四重奏曲の金字塔であるデザンクロ作曲「サクソフォン四重奏曲」が特に圧巻。それぞれの楽器の特性をうまく音楽と調和させた完成度の高い名曲でした。
“サクソフォン”は、必ずしもヴァイオリンやピアノより市民権を得ている楽器とは言えません。しかしこんなにも素晴らしく、また素敵な曲があることは大発見でした。メンバーが熱く語ってくださった「素晴らしいサクソフォン音楽の普及」への情熱をひしひしと感じつつ、秋の夜長を愉しみました。