OWNER’S INTERVIEW

八ヶ岳は、高原に憧れ山にのめり込んだ、私の原点です。

この別荘をお建てになるまで長かったそうですが?

はい。美鈴池からほど近く、ヒュッテからもさほど離れていないこの美鈴地区に土地を確保してからもう40年ほどになります。
その頃は自然郷も生まれたての頃で、小さな木々の間から山々がよく見渡せました。その中にできあがったヒュッテが本当に景色にピッタリのきれいな建物で。夏にはちょうど歩けるようになった子供を連れて4、5日は滞在するようになりました。そうなると「やっぱり、ここに別荘が欲しいわね」と思うようになって土地だけは確保したんですが、それから忙しくて。2013年、ようやく落ち着ける年齢になってここを建てる事ができました。

車から降りてそのまま家に入れるように、玄関を駐車場と一体化。玄関脇に山小屋と同じような乾燥室を設け、土で汚れる山登りの道具や庭いじりの道具をしまわれているそう。
青空、草木の緑、そして八ヶ岳。初めて見たこの光景がN様の心の原点になりました。※イメージ写真

八ヶ岳高原とは運命的な出会いだったそうですね。

昭和33年大学時代の夏休み、寮のルームメイトに連れられてはじめて八ヶ岳高原に来ました。まだ清里も清泉寮だけしかない頃で、野辺山の駅に下り立つと駅前のカラマツの林の向こうに八ヶ岳が見えて。小学生のころに読んだ島崎藤村の「千曲川のスケッチ」や堀辰雄の「斑雪」など大好きだったエッセイの世界が目の前にぱっと現れたようで「私は夢の世界にいるんじゃないかしら?」と思いました。
それ以来、毎年のように八ヶ岳に通っています。

モンブランの登頂など、本格的なクライミングもご経験と伺いました。

初めての登山は下の息子が中学3年生の時にできたロッジが開催した八ヶ岳登山のイベントです。頂上で朝を迎えた時、眼下の雲海の中から顔を出す山々の雄大な姿を見たことが登山にのめり込むキッカケになりました。
その後、可憐に咲く高山植物を見る夏山登山をはじめ4年ほど経った夏、白峰三山を縦走した後、その秋の10月に鳳凰三山からの北岳を眺めようと出かけました。まっ青な空にカラマツの黄葉が金粉を散らしたようで素晴らしかった。その後、薬師岳でお昼を食べていた時、突然雪と冷たい風に吹かれ、山の怖さを知らされました。やはり雪の上を歩く練習も必要だなと思い、世界的なクライマーの長谷川恒男さんがなさっていたスクールに入ったんです。そこで長谷川さんに「岩もやってみない?」と誘われて、岩登りをはじめるようになったんです。

それは、おいくつの頃ですか?

子供に手がかからなくなった後、49歳の時です。翌年には北岳のバットレスという有名な岩壁の第4峰を登り、その翌年にはモンブランを登りました。そうなると毎年シャモニーに通うことになって、八ヶ岳は厳冬期のクライミングに毎週のように諏訪側から入っていましたが、夏は少しお留守になってしまいました。ただ音楽は好きなので、音楽会にはよく通っていました。

子供の頃、高原の小説に憧れていたN様。今も別荘には小説と一緒に山の本や好きな美術史の本が置かれています。
2階のサロンでくつろぐN様。堀辰雄が八ヶ岳の風景を「セガンチーニの絵のよう」と例えていたのを読み、サンモリッツを訪れた際セガンチーニの美術館にも赴かれたそう。
ある雪のコンサートの日、ロッジからヒュッテの方へお散歩に出たら、憧れのリヒテルと出会ってしまいました。※イメージ写真
取材の日、紅葉の中の音楽堂を訪れると、ピアノの音が聞こえてきました。今日のコンサートのリハーサルでしょうか?

音楽堂ができる前のコンサートですか?

もちろんロッジでのコンサートです。そう、あれは大変な雪の日でした。昼間にロッジに着いて、コンサートの前にヒュッテの方へ散歩に出たんです。すると雪の中からロシア語が聞こえて来て、と思ったらリヒテルなんです。こちらにちょっと会釈してくれたことが大変うれしくて(笑)。いい思い出ですね。
あとはペーターシュライアーやアシュケナージ……、本当に超一流の音楽家の方ばかりですね。

音楽堂ができたのはその雪のリヒテルのコンサートの少し後です。また、あの音楽堂が風のそよぎを感じさせる武満徹の音楽にピッタリで。私はクラシックが好きなので、今も音楽堂のコンサートは好きな人がくれば必ず。別荘もできて宿の心配もなく気軽に来れますから(笑)。

いよいよ、別荘を建てようと思われたのは?

別荘は2012年につくり始め、13年に完成しました。それまで子育てや山登りに夢中になったりで、ずっとそのままにしていたのですが、主人の仕事もひと段落し、私も75歳になって大きい山もやらなくなりましたけど、八ヶ岳から見える山くらいなら行けるからと思って。周りからは「その歳で何してるの?」と呆れられましたが、でき上がって遊びに来られると、皆やっぱり「いい所ね」って(笑)。

建築家の濱田先生に「森の中にいるような感じで外がよく見えるようにしてください」とお願いして、南側は大きなガラス窓をたくさん。自然郷は一軒一軒が離れているので、本当に森の中にいる感じがするんですね。

リビング、ダイニング、寝室の森に向かって設えた大きな窓が、風を呼び込み、太陽を招き入れ、冬でも暖かく心地良いそう。
別荘ができて、四季を通じて八ヶ岳を訪れるようになり、今まで知らなかった八ヶ岳の、日々変わる自然の美しさを体験できるようになりました。※イメージ写真
取材の日、息子さんから紅葉の話を聞き、思わず八ヶ岳へ駆けつけたN様。きっと紅葉狩りの散策に出かけられことでしょう。

別荘を持たれて、変わったことはありますか?

別荘には最低、月に2回くらい来ています。それまで主に夏に来ていましたので、野の草花や木々の美しさは知っていたんですが、改めて冬の美しさにも気付きました。野辺山駅を下りて別荘に向かう時、高原野菜の畑一面に広がる雪景色と、その向こうに見える八ヶ岳は本当に美しいですし、別荘へ来て雪景色を眺めているだけでも素晴しいと思います。あんなに「寒いのはいやだ」と言っていた主人が「やっぱり冬はいいな」と言うようになりました。
それに冬は散策していても木の葉が落ちて遠くの山までよく見えますし、トレッキングシューズとストックさえあれば、下草が枯れているので林の中でもとても歩きやすいんです。
春、まだ八ヶ岳が雪をかぶっている5月の半ば、ずっと憧れていたヤマナシの木が地面まで真っ白な花を咲かせる姿も見ました。ほんの一瞬の短い花期なので、別荘がなかったらどうかな、と思います。あとはサラサドウダンの花……。自然はその時々で違いますので、それも魅力ですね。

お気に入りの場所を教えてください。

いろいろあります。せせらぎの小径の終点、あの岩っぽい所を杣添川沿いに少し上った所に二つの川が合流する場所があるんです。そこからの水しぶきの輝きを透かして見る眺めがあの辺りでは1番美しいと思います。
車ですっと行くなら、野辺山の獅子岩は「本当に眺めがいいな」と思う場所です。そこから1時間ほどで登れる飯盛山も小さな山ですが眺めが良くて、マツムシソウや山野草がたくさんあって楽しいです。清里の美し森も冬とツツジの季節はいいですよ。
でも、八ヶ岳は本当にいい所ですね。大学生の時に初めて出会ってから長い間、回り道もしてきましたけれど、やっぱり八ヶ岳に戻ってきました。

N様お気に入りの場所。せせらぎの小径の終点から、少し上った杣添川の合流地点。周りの景色を映しながら、水しぶきを輝かせる渓流が1番美しいそうです。

取材後記

N様へのインタビューはスケジュールの都合で都内のご自宅で行われました。後日、八ヶ岳高原での撮影日、前日まで別荘にて過ごされた息子さんから紅葉の話を聞いたN様は、いてもたってもいられず来郷され、急遽ご出演いただくことになりました。
「八ヶ岳の美しさは、日毎に変わっていくから。別荘があるから、思い立った時にこうして気軽に来てしまいます」と笑顔で語ってくださいました。


大きな窓と吹き抜けのある広いリビングは暖炉も置かれた、森とひとつながりの空間。手前のソファはその心地よさに皆が床でくつろいでしまうのを見かねて置いたそう。
リビングと続きのダイニングにも大きな窓を設え、森との一体感を楽しみながら食事ができます。お気に入りのテーブルの天板はバーズアイメープル。

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